創造と賞賛と非難

ちょっと気になるテレビコマーシャル

最近、保険会社の天体観測に行く兄（いとこ？）と弟のテレビコマーシャルをよく見ます。優しそうな兄としっかりした弟。すぐに「ごめんなさい」といえるのは、しっかり育てられている本当に良い子だと思います。

ただ、そのCMを見る度に私的に引っかかる所がある。その部分とは、「大丈夫、気にするな！」と言っているわりに、弟が横で寝ているとはいえ、車の中からすぐに保険会社に電話しているところ(苦笑)　できれば家に帰ってから弟のいないところで次の日とかに電話して欲しかったなぁ〜と…「365日24時間事故受付をしていますよ」という所をアピールしているんだからCM的には何にも問題ないんですけどね〜。

宣伝広告を担当しているからなのか、何か人と違う所に目がいってしまいます。単にあまのじゃくな人間というだけなのかも知れません。こんなCMは作れませんが、作れないけどあえて言わせていただくと、という前提で（事前の言い訳がくどい）、もし私がこの企画の脚本を書いたとすれば・・・

天体観測の後、場面は変わって、窓の外の空を見ながら帰途につく走る車のカット。
自宅の部屋で、天体観測の余韻に浸り、望遠鏡を抱きしめながら寝ている弟のカット。
それを見て安心した表情で、自分の部屋から穏やかに保険会社に電話する兄カット。

ほんの数秒〜10秒程度の違い。どうなんでしょう、大きなお世話ですね(苦笑)
人それぞれ作り手によって思う事は違うし、その完成品を見る人の受け取り方も千差万別。何が間違いで何が正解とかは全くないんです。どんな作り方をしてもいいし、どんな受け取りかたをしてもいい。共感されれば商品は売れるだろうし、反感を買えば売れなくなる。

とても難しい事だけど、だから面白い。人を陥れるようなウソや誰かの誹謗中傷はもちろんダメですけれど、そうじゃないなら「創造」というのは個人の自由です。SNSの投稿にも当てはまるかもしれませんね。

賞賛と非難、100かゼロ

企業としては、人に非難されないように無難に無難に…という所もありますが、アトラの社長の頭は結構柔軟で、色々な事をやらせてくれるので、そう思うと大変ありがたい存在かもしれません。そんな中で作り続けている制作サイドとして思うのは、「出来れば少しでも多くの人に見てもらえたらな」ということ。賞賛されるとそりゃもちろん嬉しい。しかし同時に出来がひどい場合は非難も覚悟しないといけませんけれど。できる限り沢山の人の目に触れて、それが商品購入に結びつけたい。広告とはそういうものです。

私、デザイナーの立場としては賞賛と非難100かゼロかでもいいから、アトラ広告を突っ走ろうと思う次第です。
（「100かゼロは極端すぎるー！」誰かが後ろで叫んでいますw）

追伸：観たら即消去するビデオ録画なら関係ありませんが、録画保存している方は、ぜひ番組途中のコマーシャルは編集カットせずにそのまま残して保存されるのをお薦めします。数年後、数十年後に見た時にタイムスリップ出来ますよ！